全体像・ステークホルダー・データの流れ

令和8年度 千葉県地域医療提供体制データ分析チーム構築支援事業 / 県職員向け分析ツールの位置づけ整理

1最終イメージ(このツールが目指すもの)

千葉大学の分析環境が生み出す「集計結果」を、県職員が地域・年度・テーマで切り替えて閲覧し、 地域差・受療動向・資源配置などの「分布」を客観的に把握して、 地域医療構想調整会議や病院との協議の共通資料とする——記述に徹した可視化ツールです。
解釈と政策判断は人(分析チーム・県)が担い、ツールはそれを支えます。提供方式(①〜③)は情報システム部門の環境制約に基づき選定します。
ツールの役割は「見せる」分布・地図・比較を分かりやすく提示。統計分析そのものは上流(分析チーム)が担当。
判断は「人」が行う良否の評価・示唆・結論はツールが自動生成せず、利用者が読み取り・記入する。
会議で使える共通資料同じ画面・同じ定義を関係者で共有し、印刷・PDFで会議や1対1に持ち出せる。

2ステークホルダーと役割 ― 「誰が判断するのか」

データ提供元各病院(DPC)・国・県保有・公開データ
分析チーム(千葉大)個票を集計・秘匿処理し、集計結果を作成
可視化ツール集計結果を分布・地図・表で表示
県 各課・調整会議現状把握し、政策を判断
情報システム部門環境・方式・配布を承認(土台)
主体主な役割判断への関与
データ提供元各病院・国・県・公開データ DPCデータ(個票)、施設別実績、病床機能報告、救急搬送、将来推計人口、境界データ 等を提供。 提供のみ
分析チーム(千葉大 企画情報部)土井・三村 ほか セキュア環境で個票を集計・秘匿処理し、集計結果(CSV/JSON)を作成。集計軸・定義・注記を設計。ツールの設計・提供・年次更新。分析上の解釈の下書きも担う。 分析面の判断
可視化ツール①VBA/②デスクトップ/③クラウド 集計結果+公開の境界データを読み込み、分布・地図・クロス集計を記述的に表示。絞り込み・印刷/PDF出力。 判断しない(表示のみ)
情報システム部門 庁内のセキュリティ・ネットワーク・端末の制約を提示し、提供方式の承認・配布/運用を許可。 導入面の判断
県 各担当課・調整会議健康福祉政策課/疾病対策課/医療整備課/高齢者福祉課/各保健所 ツールで現状を把握し、会議・協議で政策を判断(機能の集約化・連携・資源配置の方向づけ)。 政策判断(最終)
要点:地図に表示される「示唆」をツールが自動で決めることはありません。ツールは分布を表示するだけで、それをどう読むか(示唆・評価)は分析チームや県のご担当者が判断します。これは分析項目でも示された「レセ由来のため治療選択の背景要因は追えず、記述的分析に留める」という方針と一致します。

3データの流れ ― CSV/JSONから、どうやって地図やグラフになるのか

① 元データ(個票など)
  • DPCデータ(患者単位の個票)
  • 国・県保有・公開データ
※個票は千葉大のセキュア環境内で扱い、ツールには渡しません。
② 集計結果(CSV/JSON)
分析チームが集計・秘匿処理した「表」を出力。例:
医療圏コードがん種年齢層手術放射線薬物無治療
1201075+61214220583
1206075+188529684
→ ツールは割合(%)を計算するだけ(例:手術 612÷1042=59%)。
③ 画面表示(地図・グラフ・表)
  • 公開の境界データ(国土数値情報)を医療圏コードで結合
  • 色分け地図・受療動向の矢印・ランキング・スコアカードとして描画
「詳細に見える」理由:地図の細かさは、分析データではなく公開の境界データ(無料)を医療圏コードで結び付けているためです。 ツール側の計算は割合や合計といった単純な算術で、統計分析(集計・秘匿・定義づけ)は上流の分析チームが担います。 したがって、集計済みのCSV/JSONと公開境界データがあれば、②デスクトップ/③クラウドでこの水準の表示は現実的に実現できます(①VBAは地図・フロー表現が不得手)。

4ツールが「すること」/「しないこと」

すること(表示・記述)
  • 集計結果を地図・グラフ・表として分かりやすく表示
  • 地域・年度・がん種・年齢層などでの絞り込み
  • 分布の記述(範囲・順位・構成比などの事実)
  • 会議・1対1向けの印刷/PDF出力
しないこと(判断は人が行う)
  • 良否・要否の評価(「この地域は問題」等の判定)
  • 政策的な示唆・提言・結論の自動生成
  • 背景要因(重症度・患者意思など)の推測
  • 個票の保持・個人の特定につながる表示
「示唆」や「所見」は、ツールが出すのではなく、利用者が画面上のメモ欄に記入する想定です(画面イメージ参照)。これにより、判断の責任と根拠が人側に明確に残ります。